
ただ、何となく無気力に生きて行く若者達の多い昨今、動けなくても、人の役に立たなくても、一度の人生を精一パイ生き抜く彼女の生き方、感動せずにはおられません。彼女も一期一会の心の分かった人です。生きたいのです。
動けん、お金ももうけれん、人の役に立つこともできん。
でも生きていたいんです。
わかってほしいんです。
………
お母さん、わたしのような醜い者が、この世に生きていてもよいのでしょうか。
わたしの中の、キラッと光るものをお母さんなら、きっと見つけてくれると思います。
………
若さがない、張りがない、生きがいがない、目標がない……
あるのは衰えていく体だけだ。
何で生きてなきゃあならんかと思う。反面、生きたいと思う。
………
我慢すれば、すむことでしょうか。
一年前は立っていたのです。話もできたし、笑うこともできたのです。
それなのに、歯ぎしりしても、まゆをしかめてふんばっても、もう歩けないのです。
涙をこらえて
「お母さん、もう歩けない。ものにつかまっても、立つことができなくなりました」
………
後十年したら……、考えるのがとてもこわい。
でも今を懸命に生きるしかないのだ。
生きていくことだけで、精いっぱいのわたし。
(木藤亜也『1リットルの涙』エフエー出版参照)
更新日 2008/03/01