有馬賴底会長一行訪中報告

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はじめに

 2016年の臨済禅師1150年遠忌にあたり、記念事業として臨黄合議所と日中臨黄友好交流協会が主体となり、2016年に日本から100人~200人規模の訪中団を組織して臨済寺を訪問し、日中合同法要および世界平和祈願法要を計画している。その事業に対して中国側に理解と協力を得るために、有馬賴底・日中臨黄友好交流協会会長、中川弘道・同事務局長らは、2月25日から27日まで北京と石家荘へ、中国国家宗教事務局、中国仏教協会、河北省佛教協会及び臨済寺を訪問しご協力を要請した。
 それらの要請に対し、中国各サイトは積極的に呼応し、最大限に協力することを約束し、訪中は予期通りの目的を達成できた。
 詳細行程は下記の通り。

河北省佛教協会会長を訪問 浄慧会長と会見

2月25日(月)
 有馬会長一行は空路北京へ飛び、予定より30分遅れて13時北京空港に到着。中国仏教協会張琳副秘書長に迎えられ、その後、同協会国際部李賀敏氏、李建華・禅文化研究所客員研究員(北京在住)が同行して専用車で一路河北省の石家荘へ向った。予定時刻より一時間ほど遅れて18時にようやく石家荘に辿りついた一行は、河北省佛教協会の門前で浄慧会長をはじめ、協会の幹部らに迎えられた。禅堂へ三拝後、会議室に案内された。
会見には、肖占軍・河北省佛教協会副会長兼秘書長、明海・河北省佛教協会副会長・柏林寺住持、高士涛・河北省佛教協会副会長、黄宝松・副秘書長、明影・副秘書長兼教務部主任、李泓・河北省民族宗教事務庁調査研究員らが出席した。
北京入院中に一行を迎えるためにわざわざ石家荘に帰ってきた浄慧会長が歓迎挨拶をされ、それを受けて有馬会長が、臨済禅師1150年遠忌にあたる2016年に日本から100人~200人規模の訪中団を組織して臨済寺で日中合同法要および世界平和祈願法要を行う計画や、その記念行事の一環として今年秋より2015年の間に日本から臨済宗関係寺院のツアーが臨済禅寺を訪れ拝塔する際の対応をお願いするという今回の訪中目的を述べた。
また今回の訪中に同行した則竹秀南・霊雲院国際禅交流友好協会会長からは、今年の9月に臨済寺で行なう日中禅フォーラムの開催や文化交流イベントに協力するよう要請した。
上記に対し、浄慧会長から明確に支持と協力を表明し、具体的な考え(規模、内容)ができたら、河北省仏教協会に連絡するようと答えた。記念品交換後、宿泊先の河北世紀大飯店に向った。
世紀ホールで河北省佛教協会による歓迎宴が催され、慧林・臨済寺住持も笑顔を見せながら出席された。席上、中川事務局長から昨年栂前事務局長の訪中では臨済寺がある地域の再開発計画があるとの質問に、正定県政府が臨済寺の再開発を大変重視し、すでに現在の敷地面積の24畆(1.6ヘクタール)から150畆(10ヘクタール)に拡大することを決めたと慧林法師が答えた。
浄慧会長ら河北省仏教協会のみなさまと歓談しながら楽しい一時を過ごした。協力要請事項が「最大限に協力する」という確約を得られただけに、訪中の第一歩は順調に踏み出した。 

臨済寺訪問

2月26日(火)


 太陽がスモッグに覆われる石家荘。午前9時に出発し、30分後正定・臨済寺に到着。慧林・臨済寺住持をはじめ、崔暁輝・河北省民族宗教事務庁副庁長、明海・河北省佛教協会副会長、張貴民・石家荘市民族宗教事務局調査研究員、果通・石家荘市佛教協会会長、葛玉文・正定県民族宗教事務局局長らに迎えられた。

 臨済塔を三拝し、33年前に山田無文老師を団長とする第一次日中臨黄協会訪中団とともに臨済寺を訪れた時に四周何もなかった塔の前で植えた二本の松が立派に育ってすっかり大木になったのを目にして、有馬会長や則竹老師が感無量。本堂、禅堂、法乳堂、伝燈堂並びに有明記念堂を参拝した後、会議室で関係事業について協議を行った。
崔暁輝副庁長が歓迎の挨拶を述べ、有馬会長が2016年臨済禅師1150年遠忌に向けて臨済寺で日中合同法要および世界平和祈願法要への協力を要請し、また、則竹老師が今年9月に霊雲院国際禅交流友好協会と中国仏教協会・河北省仏教協会が共催する禅フォーラムへの協力を要請した。それに対し、明海副会長は中日両国の仏教交流の歴史が長く、禅宗が同じ流れを汲んでおると話し、中日合同法要は私たちの願いでもあるから、当然賛同すると表明した。慧林法師からも全力をあげて協力すると述べた。

昼食の予定はなかったが、わざわざ水餃子を用意していただき、すっかりご馳走になった。慧林法師のご親切に唯ただ感謝。

中国仏教協会訪問

2月26日(火)

 11時半臨済寺を後にし、北京へ移動。予定通り午後3時半に広済寺・中国仏教協会に到着し、傳印・中国仏教協会会長をはじめ、学誠副会長、王健秘書長、張琳副秘書長に暖かく迎えられた。演覚、常蔵副秘書長、劉宇主任、普正主任、王立副主任、性然法師、賢清法師らが同席。客間で有馬会長と中川事務局長から河北省佛教協会及び臨済寺での協議報告を行い、また臨済禅師1150年遠忌において日中合同法要および世界平和祈願法要に対する協力を要請し、則竹秀南老師から本年9月に霊雲院国際禅交流友好協会と中国仏教協会・河北省仏教協会が共催する禅フォーラムへの協力を要請した。

 上記に対して、傳印・中国仏教協会会長は「最大限の協力をする」と確約してくださった。会見後、傳印会長から有馬会長に墨跡「敬宗奉祖」、則竹老師に「風月同天」を贈られた。一行は大雄宝殿で般若心経を読経し、宝殿前で傳印会長らと記念撮影を行った。

 夕方、傳印会長が国誼賓館にて歓迎夕食会を催し、和やかな雰囲気のなかで楽しい一時を過ごした。

蒋堅永・国家宗教事務局副局長と会見

2月27日(水)

 一行は7時50分「長安大飯店」を出発。通勤ラッシュもあり、車の大渋滞に遭遇したが、9時直前に中国国家宗教事務局に到着し、蒋堅永副局長と会談を行った。郭偉・外事司長、張琳・中国仏教協会副秘書長らが同席した。
蒋副局長はまず王作安・国家宗教事務局長を代表して歓迎の意を表し、有馬会長、則竹老師が趙樸初先生の提唱した中日韓「黄金の絆」の推進者であり、功労者であると指摘した。開封大相国寺と京都相国寺、北京霊光寺と京都霊雲院が友好寺院に結ばれ、大理崇聖寺と日中臨黄友好交流協会と友好関係が締結されたなどの話題に触れながら、日中友好臨黄協会が長期にわたって中国仏教界との友好交流に尽力し、両国の仏教友好事業に大きな貢献をされたと高く評価した。
有馬会長が2016年臨済禅師1150年遠忌において日中合同法要および世界平和祈願法要への協力を要請したことに対し、「中日仏教界の盛事であり、わが国家宗教事務局は全力をあげて協力する」と確約した。また霊雲院則竹秀南老師が本年9月に霊雲院国際禅交流友好協会が主体として中国仏教協会・河北省仏教協会と共催する臨済禅シンポジウムについても、協力の約束をした。その上、当面中日関係が特別な時期におかれて両国の関係改善に新しい貢献をされるようと期待し、今年秋に中国の海南省三亜市で行われる予定の中日韓三国仏教交流大会にぜひご参加するよう、と要請した。会談は和やかな雰囲気の中で10時に終了し、記念撮影を行った。

 一行は午後2時40分発NH160便で北京空港を出発して帰国の途についた。