はじめに
行程記録
(1)栂正隆事務局長は7月10日午後に北京に到着し、その足で雲南昆明へ飛び、夜8時に到着。
(2)11日午前8時半、ホテルで雲南省政府外事弁公室友好協会処副処長楊翔氏と会い、「友好寺院」に関する連絡は雲南省政府外事弁公室を経由することを要求されたが、これについて栂事務局長は回答を避けた。
(3)11日午前10時30分、雲南省宗教局孫雲霞女史が同行して空路大理へ赴き、午後、大理白族自治州政府李向陽氏が同行して映画村に保存されている「四僧塔」を拝観した。夜7時半に中国仏教協会常務副会長聖輝法師をはじめ宗教関係指導者による会見に出席した。
(4)11日夜8時に中国国家宗教事務局一司司長徐遠傑氏をはじめとする関係指導者が栂事務局長と単独会見が行われた。中国側の出席者は、劉威副司長、李雲華副処長、雲南省宗教局熊勝祥局長、郭滇明副局長、大理州民族宗教局楊化宇局長、大理市民族宗教局楊遷局長などの諸氏。
徐遠傑司長は、まず葉小文局長を代表して栂事務局長のご来訪に歓迎の意を述べ、本来葉局長が自ら来られる予定だったが、公務で抜けられず、お詫びの意を申し上げるとともに、葉局長の親書に対して丁寧に返信してくださった有馬頼底会長にくれぐれも宜しくとのことを委ねられたと説明し、同時に「友好寺院」の件について、葉小文局長と雲南省宗教局及び大理州政府は非常に重視し、「四僧塔」の縁を契機に日本の佛教界との交流を復活し、しかるべき寺院と「友好寺院」を結ぶことを願っていることを申し入れた。これに対し、栂事務局長は冒頭に、有馬会長は早くも予定されたミャンマーへのご出張があったため、自ら崇聖寺落慶法要や崇化法師の晋山式、そして「友好寺院」についての協議に出られないため、その委託を受けてかわりに参りましたと述べ、有馬会長は葉小文局長からの親書を非常に重視し、「友好寺院」関係を結ぶことに対していい形にするよう前向きに考えており、ご都合のよろしい時期に、崇化法師をはじめ中国側の関係者を日本へ視察に迎えて相互理解や交流を深め、双方の意志を確認したうえで「友好寺院」締結について話しを進めたいと説明し、具体的には明日午後会談の時に意見交換を行いたいと付き加えた。それに対して徐遠傑司長一同は賛成の意を表し、「友好寺院」締結について尽力を願いたいと、会談を終了。
(5)12日早朝7時45分時間通り崇聖寺落慶法要会場に向い、9時15分に本堂本尊開眼法要が始まる。中国仏教協会会長一誠法師、中国仏教協会常務副会長聖輝法師のほか、中国国家宗教事務局(省クラス)一司司長(局長クラス)徐遠傑氏、大理州州長、大理市市長など政府要人をはじめ、海外から日本以外に、ベトナム、ラオス、シンガポール、タイ、インドネシア、スリランカ、ミャンマー、韓国、アメリカ、オーストラリアから、そして台湾、香港、澳門などの宗門も参加。法要は荘厳に行われ、また菩提樹を植えた。11時30分、儀式は珍しく時間通りに終了した。(大したもんだ)
(6)当日午後3時30分、「友好寺院」協議を巡る会談が行われた。中国側は中国仏教協会常務副会長聖輝法師、崇聖寺崇化法師、大理市副市長曾勇氏、雲南省大理州民族宗教局楊化宇局長、大理市民族宗教局楊遷局長、佛教協会副秘書長張琳氏が参加。聖輝法師は冒頭に崇聖寺と「友好寺院」締結の意義について語り、六百年前に大理で勉強し客死した「四僧」の佛縁をこの提唱によって続け、崇聖寺との「友好寺院」を締結することは雲南大理の民衆の宿願でもあることを強調し、順調に結ばれれば、中国で三番目の「友好寺院」となると述べた。栂事務局長は感謝の言葉を述べ、有馬頼底会長の親書を読み上げて、親書とともに本堂本尊開眼法要と晋山式への祝儀そして有馬会長の墨蹟を渡した。「友好寺院」締結について、栂事務局長は、中国側のご趣旨を有馬会長は十分理解し、その線で進めたいと考えている。中国側の締結協議案を了解し、まずしかるべき時期に中国側の関係者を日本へ迎え、交流を深めた過程を通していい方向に進めたいと考えている。斗南法師は建仁寺の文献にも登場し確実に存在した方だから、建仁寺のご意見を求め、異議がなければ、「友好寺院」の対象として実現させたいと述べた。そしてこの事業を具体化するために今後の連絡窓口を決めてもらいたいと要請した。中国側はこれ以上「友好寺院」締結協議案に書かれた事項に触れず、栂事務局長の提案に賛成の意を示した。今後の連絡窓口について、聖輝法師は、今後の連絡は具体的に崇聖寺と直接でよろしい、もし中国佛教協会にしてもらうことがあれば、張琳氏と連絡してもよろしいと答えた。
(7)午後4時45分、「友好寺院」協議に関する会談が終わり、出たところに一時間も待たされた中国で視聴率が非常に高いフェニックステレビ(鳳凰衛視)のインタビューに遭遇した。佛教交流の意義に話が触れ、「中日両国が政治不信におかれているなか、佛教交流ではその不信を減らすことはできるだろうか」という質問に対し、「中国と仏教間の交流は早くから始まり、こちらは中国の佛教僧と定期交流を行った。8月29日より10日間、臨済宗・曹洞宗の修行僧がアモイの南普陀寺での交流の為出発する。こういうふうに人と人との付き合い交流を進めて行けば、理解が深められ、政治不信を少しでもなくすことができるのではなかろうか」と答えた。
(8)13日早朝、崇聖寺会場へ向い、崇化法師の晋山式に出席した。昼頃の飛行機に間に合うために途中から退場し、雲南省宗教局郭滇明副局長に見送られながら、雲南省宗教局孫雲霞女史が同行して大理から昆明へ飛んだが、予定の航空便が遅れたため、別便にチェンジして夜11時30分ようやく北京にたどり着いた。
(9)14日午後1時55分のJL786に搭乗し無事帰国の途へ。