5月24日(日)富山県高岡市の国泰寺で報恩坐禅会が開催されました。
毎年、7月の最終日曜日に読売新聞社とのタイアップで行なっている夏期講座「禅の行」(坐禅体験や講演、禅寺の作法を学ぶ会)の時期をこの期間に合わせていただき、臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱と冠して報恩坐禅会を開催していただきました。
当日は96名の参加者があり、そのうち3割の方は初めて参加されているとのことでした。
9時、本堂で管長様をお出迎えし、読経を行ない、その後、教学部長様から会中の注意事項などの説明がなされました。「臨済禅師白隠禅師の遠諱という奇縁でここに居られるということはとても有り難いことです。今回は特別に記念品も用意してありますので、最後にお渡しするまではしっかり頑張っていただきたい」とユーモア溢れる日程説明があり、余計な緊張感もほぐれ、参加者の皆さんがリラックスされた良い雰囲気で報恩坐禅会が始まりました。
9時45分からの坐禅では、姿勢の正し方、息の吐き方、心の整え方など、現役の雲水さん直々の坐禅指導がありました。初めての方はなかなか足が組めなかったり姿勢が維持できなかったり悪戦苦闘されていましたが、それでも真剣な表情でしっかり坐られておりました。
10時50分、毎年の夏期講座では講師をお招きされ講演されるということですが、今回は臨済禅師と白隠禅師の遠諱を称して、管長猊下から「白隠禅師坐禅和讃」の提唱をいただきました。
13時30分からの写経では、鳥のさえずりが聞える長閑な環境で、それぞれが般若心経の一字一字を丁寧に書写されておりました。
15時20分からの坐禅は25分と午前中より少し長めに行ないました。とても天候も良く、暖かかったので時より睡魔に襲われる方や、足の痛みに顔を顰められている方も垣間見られましたが、自ら合掌して警策の激励を受けながらしっかり取り組まれていました。
16時30分、閉講式では般若心経、白隠禅師坐禅和讃、普回向、四弘誓願文をお唱えし、最後に教学部長様から「お釈迦様は難行苦行の末、中道という偏らない道をみつけて坐禅をして悟られました。坐禅の坐という字は土の上に人と人、と書きますが、普段の自分と仏の自分を常に比較し、どのように生きていったら良いかを見つめるのがこの坐禅でありますので、普段あまり坐禅をすることはなかなかないかもしれませんが、是非機会があれば今後も続けていただければ幸いです」とお話をいただき、無事日程を終了いたしました。
皆様からのアンケートでは、私語が気になった事や、坐禅の時間をもっと長くして欲しい、厳しさが欲しいなど、貴重なご意見を頂戴しました。今後に活かしてゆきたい所存です。
また、禅寺のすっきりとした空間で、日常を離れての坐禅に関しては、非常に落ち着き、集中できたようで、毎月でも開催して欲しいという有難いお声もありました。
この度御縁あった皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。