平成27年5月31日、六本木アカデミーヒルズにて開催された記念企画。その中の一つ、【法話と写経:「延命十句観音経写経」】に関してのご報告です。
講師は円覚寺派管長横田南嶺老大師。
所要時間60分、定員60名の計三回行なわれ、各会ともにほぼ満席の計約180名。老若男女問わず様々な年齢の方にご参加いただきました。
全体の流れとしまして、まずはじめに御線香を立てることができないので、塗香を使い身を浄めました。塗香のとても心地よい香りが会場に広がり、それだけで十分に身心を落ち着けることができました。
続いて墨を磨っていただきながら、20分ほど写経の説明に耳を傾けていただき、その後20分静かに写経。そして最後にまた20分お話があり、最後に「延命十句観音経」を参加者全員で唱和し、終わりました。
【墨を磨りながらの20分の写経説明】
「習字とは違いきれいに書こうと意識する必要はなく、それよりも、ひと文字ひと文字が仏様、観音様であるという気持ちで書くことが大切であります。前かがみになりがちな姿勢、また呼吸にも気を付けて、ゆったりとした気持ちで書いてください。延命十句観音経は非常に短いお経で42文字から成り立ち、しかしその42文字にお釈迦様のたくさんの教えがこめられています。ですから、臨済宗では大切にしているお経のひとつであります」。
墨を磨り、老師のお話以外の事は考えずに集中する事により、写経への身心の準備が整ってゆくようでした。部屋の空気は、皆様の集中によって、坐禅をしている時のような独特の気に満たされていました。
【写経】
南嶺老大師も皆様と一緒に写経なさいました。静かなひとときでした。
【写経後のお話】
「日々何が起きるかわからないという中で、我々は生きていくしかないのであります。しかし真心だけは忘れてはいけません。この”延命十句観音経”」は真心を説いた素晴らしいお経です」。
終始、参加者の皆さまは集中して取り組まれてるようで、終わられた後のスッキリした表情が印象的でした。
何故写経をするのか、延命十句観音経とはどういったお経であるのかなど、理解を深めていただけたかと存じます。
最後に講師と個々に話される方もあり、どの会もとても和やかな雰囲気で終える事ができ、有難く思いました。
ご参加いただきました皆様との御縁に感謝致します。
ありがとうございました。