平成２７年５月３１日、六本木アカデミーヒルズにて開催された記念企画。その中の一つ、【体験講座”坐禅”】に関してのご報告です。

この講座は、平井正修師（国泰寺派・全生庵住職）、細川晋輔師（妙心寺派・龍雲寺住職）を講師とし、二回の入れ替え制（４０分）で、各回定員５０名、計１００名もの方々にご参加頂きました。

当日は好天に恵まれ、まさに東京を一望できる「東京の中心地」での坐禅会となりました。会場は絨毯敷きでしたが、畳を搬入し、座布団を置いて、お寺とはまた違った素晴らしいロケーションに。

参加年齢は老若男女問わず、大学生から年配の方まで幅広いものがありました。中には坐禅の経験者、熟練者とも見受けられる方もいらっしゃいましたが、ほとんどの方が初めて坐禅会に参加されたように感じられました。

体験講座の最初の１０分は、平井師による親切丁寧な坐禅指導によって始まりました。
師のあたたかく穏やかな口調に、参加者の皆さまも次第に緊張がとれ、和やかな雰囲気で話を真剣に聞いておられました。坐禅の説明が終わるとブラインドが閉められ、照明が落とされました。そこから警策をまわしての一炷20分、止静の合図で、会場には東京一の繁華街である六本木とは思えない静寂が広がり、所々で警策の音が響いていました。

坐禅が終わると、白隠禅師の２５０年遠諱ということで「白隠禅師坐禅和讃」を全員で唱和しました。皆さん熱心に経本をご覧になり、真剣に唱えておられました。

講座が終わり感想をお尋ねしたところ、「改めて日常の中で自分自身と向き合う時間を持てた。そして、何も考えない時間を持つことの重要性を実感できた」、「人はともすれば幸せを外に探してしまう。しかし、本当はその幸せをもたらすことができるのは私たちの心。そう感じるとともに、そうした一番大切な自分自身の心をどれだけ見つめることができているだろうか、とふと立ち止まって考えることのできる貴重な体験となった」というようなご意見を頂戴しました。

この体験講座では、「禅」に触れて頂くことにより、忙しい生活に身を置かれている方々に、少しでも止まっていただける機会を設けることができたのではないかと思っています。

私たち企画運営する側としても、坐禅の説明の仕方など、自分自身の坐禅会への取り組み方において勉強になるところも多々ありました。

臨済禅師・白隠禅師の御遠諱のおかげで、これだけ貴重な経験を積ませていただいたこと、参加下さった方々はもちろん、いろいろご助力頂いた皆様に深く感謝申し上げ、結びとさせて頂きます。
ありがとうございました。