平成27年5月31日、六本木アカデミーヒルズにて開催された記念企画。その中の一つ、【禅僧との対話】に関してのご報告です。
この【禅僧との対話】は、僧侶が直接対面してお話しをさせて頂くという、恐らくわが宗門としては初めての試みではないかと思われる企画でした。
コンセプトは、普段は何かと敷居が高いと思われがちなお寺から、お坊さんたち自らが飛び出し、本当の意味で高いところにある六本木ヒルズ49階のカフェで皆様をお迎えするという、およそ従来のお寺・お坊さんといったイメージから大きくかけ離れたところで、だからこそ気軽に色々とお話し頂き、お話をさせて頂く、というものでした。
『禅僧との対話』会場へは、開場後しばらくしてからチラホラとお見えになる方があり、その後もご来場が途絶えることはなく、1時間程で20席用意した会場は一時満席となりました。そこで、急遽席を追加したり、立ち話でも構わないからと立ったままでお話しさせて頂いたり、予想を大きく超える盛況ぶりに一時受付は少々混乱し、ご不便をお掛けすることもありました。
当初こちら側では、【禅僧との対話】とは謳うものの、内実は講演や各ワークショップで感じた疑問や質問をこちらに持ち込まれ、そのことにお答えさせて頂くことがメインになり、10分程度の短時間の応対を繰り返すことになるだろうと想定しておりました。
しかし、席に着かれ対話が始まると、お話に花が咲くのでしょうか、楽しげに話し込まれている様子で、お越しになった方、応対いたしました和尚、どちらも終始和やかに対話の時間を過ごしていました。そんな様子から、長時間の対話はご遠慮頂くつもりでしたが、こちらも急遽方針を転換しまして、お見え頂いた方が納得するまでトコトン対話をさせて頂くことといたしました。
当日は3時間半という決して長い時間ではありませんでしたが、100組を越える多くの方々にご来場頂き、対話をして頂きました。
拝察するに、禅やその文化を体験・学ぶ機会は様々にありますが、その中で感じた分からないことや疑問に対して我々は十分に応えることができていただろうか。こちら側からの一方的な情報発信ではなく、同じ目線で相手の立場に立った情報の提供も必要なのだと感じた次第です。
皆様のおかげで、こちらも様々な学びをいただく機縁となりました。
御縁のありました皆様、誠にありがとうございました。