臨済禅師1150年・白隠禅師250年の遠諱を記念して、高台寺お茶所にあります記念ホールにて方円流記念茶会が開催されております。
初日となる3月13日(日)、事務局の者がお席にお邪魔して参りました。
皆さまに気軽に日本の文化を体験していただけるよう、立礼(りゅうれい)席でのおもてなし。まずは一煎目、お菓子をいただく前に、玉露の甘みを堪能します。
その後お菓子(この日は可愛らしい蕨の意匠でした)をいただき、二煎目では、特有の渋みを味わいます。
この、”変化を楽しむ”のが、煎茶道ならではのもので、興味深く自身の感覚と向き合いました。
今回は、秀吉に縁のある高台寺でのお席ということで、金襴手の急須を始めとして、道具組みは華やかな取り合わせをなさったのだと説明されるお家元・水口豊園宗匠。
如意を結界に使うところにも、文人趣味が伺えます。
中国の水墨画に描かれるような隠遁する賢人たちの、自由でいて、しかも気高い精神性が、お道具やしつらえからも見て取れます。その精神を失わず、楽しいのが一番と仰るお家元。
この日も、「疑問に思う事は、人それぞれ違うんやから…前でみんなに向かって説明するよりも、こちらが聴きに伺うの」と仰り、皆様がお座りになっているお席をまわっては、質問にお答えになられていました。
茶会では、亭主の魅力そのものが席中にどうしたって反映されるもので、恐らく初めて煎茶道の世界に触れる方が多かったと存じますが、ぴりぴりした緊張感など微塵もなく、和やかなやわらかい気が溢れていました。
「忙しい人ほど、頭を切り換える必要があるんやから、やってほしいと思う」と仰るお家元。人の事を考えるのももちろん必要ではあるけれど、自分を癒し、自分を大切にしなくてはならない……と。
少しお話した中に、お家元の魅力的なお人柄が垣間見え、また是非ともお目にかかりたくなってしまうのでした。
拝観で立ち寄った高台寺にて、ともすれば自身を救うかもしれないような日本文化の高い精神性に遭遇した事が機縁となり、禅や道の稽古に御関心を持っていただけると幸いです。
このお茶会、本日(3月14日)も15時まで、明日3月15日は10時~15時まで無料にてどなた様にでもお立ち寄りいただけます。
是非とも高台寺参拝の折にはお立ち寄りになってみてください。
詳細はこちらからどうぞ。