臨済宗黄檗宗連合各派合議所と花園大学が主催する、臨済禅師1150年遠諱記念『臨済録』国際学会が5月13日・14日の両日、京都市の花園大学で開催されました。
本学会には、日本、中国、台湾、韓国、マレーシア、アメリカ、フランスの研究者30名が参加、5つのテーマに分け19の研究発表が行なわれ、約150名の来場者は関心を持って聴き入られた様子でした。
開会式では、合議所の蓮沼良直理事長(南禅寺派宗務総長)が、臨済宗が日本文化形成に強い影響を与えたことに触れ、「禅は中国日本のみならず欧米はじめ世界各地で心の拠り所となっている。今後益々『臨済録』が普及し、そして研究されることを願っている」と挨拶しました。続いて花園大学の丹治光浩学長は、「禅の真髄を表した『臨済録』を学ぶことは人間の本質を理解することでもあり、世界を理解することにもつながる」と2日間の学会の成果を期待する挨拶を行ないました。
初日は中国の葛兆光氏(復旦大学文史研究院教授)の基調講演が行なわれ、発表を受けての対論者として末木文美士氏(国際日本文化研究センター名誉教授)が立たれました。初日には、研究発表のほかに、花園大学の安永祖堂教授とJeff Shore教授による禅セッションが行なわれ、欧米人から見た臨済禅について貴重な意見を伺うことができました。
2日目は、研究発表および京都の仏教書出版社である法蔵館の西村明高氏による仏教書出版状況の報告などがあり、最後に花園大学の衣川賢次教授による総括が行なわれました。
また、学会の付帯行事として、花園大学図書館、国際禅学研究所および公益財団法人禅文化研究所が所蔵する『臨済録』の版本等のテキストから70点ほどを選び展示する、「臨済録書展」も学内で開催されました。
プログラムはこちら(PDFファイル)