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自然の力に畏敬と感謝をしよう

(出典:書き下ろし)

myoshin1411a.jpg 今年は豪雨による土砂災害、御嶽山の噴火と自然災害が多く発生しました。火山国日本は、限られた国土を山と海に囲まれて生活をしています。それ故、自然に対する畏敬の念と感謝の心を、信仰という形を通して学んできました。
 今から2500年前、お釈迦様は「山川草木悉皆成仏」(山も川も草も木も、皆、生き物を生かしてくれる仏様だ)と宣言されました。森林と呼ばれる大きな山でなくても、地方には「里山」と呼ばれる生活に密着した山がありました。コナラやクヌギ等の落葉樹を中心とし、林、森と竹林で構成されていました。この様な樹木は、概ね30年周期で伐採し、薪や炭、シイタケ栽培。落ち葉や枯れ木は燃料に使用され、竹は、竹炭や日常生活に必要な竹製品の作製に使用され、持続可能な循環型として利用されてきました。
 ところが、昭和30年代から始まった高度経済政策によるサラリーマン化、エネルギー革命(電気ガス)や化学製品の登場により、里山の持つ経済的価値が低くなり、多くの里山が放置されてきました。
 私のお寺の裏山も1万坪程の里山が放置され、竹林化していました。縁あって、2000年にボランテア団体「山法師の会」を結成し、里山整備に協力していただいています。そのおかげで、竹炭窯、陶芸窯をつくり、四季さくら、銀杏を植樹、300種程の椿を植え、椿街道を整地し、多くの人に自然の素晴らしさを楽しんでもらっています。村内の農地も耕地整理が進み、耕作には大変便利になりました。
 その中に「清水の神」という水の神が祀ってありました。日本は古来より、山の神、海の神、風神、雷神、水の神、荒神様、お月様にお天道様と、八百万の神を崇拝してきました。
 古老に聞くと「百姓にとって水は、いのちより大事なもの、ため池を作ったり水瓶を置いたりして、水を確保し耕作したものだ。水の大切さを確認する為に、農民はこの清水の神を祀り、お参りしてきたのだ。今では愛知用水ができ、各田畑はバルブをひねればいくらでも水は出る、ありがたいことだ。しかし、忙しいのか1日中出しっぱなしの所がある。勿体ないことだ」と言われました。そこで、耕地整理後、「清水の神」を復元し、「自然の恵みに感謝しよう」と記念碑に刻みました。
 人間はあまりにも傲慢に成り過ぎたのではないでしょうか。自然の力に畏敬の念と、自然の恵みに感謝する心を養うことが、大切であることを再認識いたしましょう。

合掌

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