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おもいやり

(出典:書き下ろし)

 ここで問題。その昔、情け深き武将が用いた槍は、重かったか軽かったか、さて、どちらかな?
 答え、”情け深い”は、”おもいやり”に通ず。正解は、「重い槍」でした。なーんてネーー。

myoshin1308a.jpg 日本列島大移動の現象が起きる時節の一つに盆休みがある。
 車、車で道路が大渋滞、電車は混み、飛行機もまたしかり。観光地も人で溢れる。
 盆休みと云うが、お盆の意味はどこへやら、単に夏休み。日頃休みが取れない人たちがこの時ぞと出かけるのも解らなくはないが……。中には故郷へ、親元へ、そしてご先祖の墓参りを忘れない人もあろう。
 地方によっては、お盆に”精霊棚”を飾り先祖の御霊を迎え、先祖を偲ぶ風習がある。
 「お家はここですよ」と目印に迎え火を焚き、甘いぼた餅を供えるのは、長い旅の疲れを癒す心遣い。
 きゅうりを馬に見立て「一刻も早く我が家へおいでください」と早馬を用意。そうめんを供えるのは、一説に、子孫が細く長く栄える様にとの願いから。
 送り火を焚き、名残を惜しみゆっくりお帰りと、牛に見立てたナスを飾る。
 お供えするもの一つ一つに、思いが込められ、家族揃って掌を合わせる事が、知らず知らずの内に他を思いやる心を育ませている。
 忘れていませんか? 生かされて存る私達、祖先から受け継いでいる命を、そして、人間本来の「まごころ」を。
 マラソンでは、幾度か給水ポイントが設けられている。我々の人生のマラソンにも、時折それが必要であろう。
 さあ、一年の内の給水ポイント、このお盆。心に水分と潤いを、楽しい旅と共に!
 近年、他を思いやる心が薄らいで、自己中心人間が目に付きます。
 どうぞ、おもいやりの運転で道中お気を付けて……。

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