法話

フリーワード検索

アーカイブ

七転八起

(出典:書き下ろし)

 「七転八起」と題するお話のプレゼントをさせていただきます。あまりにも月並みな言葉でがっかりした人もいるでしょうが、その意味をもう一度考えてみましょう。
 
 「あなたも、高校を卒業して、今日からは立派な社会人。今までは失敗を繰り返しても周囲の人に助けてもらって立ち上がってきた。しかし、これからは他人の助けをあてにせず、自力で立ち上がらねばなりませんよ」という意味で使われるのが普通です。間違いではありませんが、ただこれだけの意味であるならば、「一回目転んだら立ち上がるのも一回目、自力で立ち上がりなさいよ。二回目転んだら二回目も自力で。七回目転んだら起き上がるのも七回目。七転七起でよいはずです。それをなぜわざわざ一つたして七転八起と言うのでしょうか」。
 私が言うまでもなく、皆さん、よく御存知のように、私達は、両親によってこの世に生を受け、親戚の人々や、知人、隣近所、学校や部活の先生、友達等々、色々な人達によって起こしていただいているのです。一回目ころんでも起き上がるのは二回目です。一度だけ起こしてもらっているということを忘れてはいけませんよ。七回目転んだら、起き上がるのは七回目ではなくて八回目ですよ。一度起こしてもらっているという感謝の気持ちを忘れてはいけませんよ。これが
七転八起の意味だと思います。

カット 左野典子

Back to list