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だるまさん

(出典:書き下ろし)

 だるまさん だるまさん にらめっこ しましょ
 わらうと だめよ あっ ぷっ ぷ

 これはだるまさんの歌ですが、この歌を唱ったあとお互いに、にらめっこをし先に笑った人が負けという遊びです。勝っても負けても楽しいですよ。皆さんのお父さんやお母さんも子どもの頃、この歌を唱いながら遊んだと思います。
 さてこれからは、だるまさんのお話です。皆さんは自分のことは自分でしていますか。人にばかり頼っていませんか。だるまさんは自分のことは誰にも頼らず、自分でしましょう、解決しましょうと教えました。
 だるまさんは今から1500年程前にインドから中国へ渡り、少林寺というお寺で勉強や修業をしていました。ある時そこへ男の人がやってきて、だるまさんに質問をします。
 「私は心が散っておちつけません。どうすれば良いのでしょうか」
 と。するとだるまさんは、
 「なおしてあげよう。さあ、あなたの心をここへ出してごらん」
 とおっしゃいました。それに対して男の人は、
 「それは困ります。形の無いものは出せません。」
 と言います。だるまさんは、
 「出せないものは、人になおしてもらえないのだよ。自分でなおすしか方法は無いのです。」
 と答えました。
 皆さんはこれから長い人生を歩んで行きますが、悩みがあっても苦しいことがあっても、最後は自分の力で困難を乗り越えてほしいと思います。人に頼り過ぎていつも自分から逃げていたら、だんだんと自分が弱くなってゆきます。何事にもくじけず、もしくじけてもそこから立ち直ることが大切です。
 だるまさんは、
 「人は転がっても転がっても、そこから立ち上がる力が第一だ」。
 と教えています。だるまさんが好まれるのは、いったん転んでもすぐに自分の力で起き上がるからです。七転び八起きして生きていってほしいと思います。

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