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私欲を抑えて礼に立ち返ろう

(出典:「瑠璃燈」38号)

2022年2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻のニュースが世界を駆け巡りました。四月初めには首都キ-ウ近郊の都市ブチャなどへロシア軍が多数の民間人を虐殺した疑惑に関し、アメリカの情報機関が「戦争犯罪」が行われているとする声明を発表しました。この報道がされた時には本当に愕然としました。どのような言い訳があれども決して許されることではないと思います。
ある日突然、日常生活が奪われ、尊い命が奪われることがあってよいのだろうかと。唯々この侵攻を制止できない人間の愚かさ・無力さ・残虐さ、これが人間の本性なのかと思うと目頭が熱くなり涙が出てしまうのです。目には目をというような、自国の防衛は軍備増強という抑止力でしか対応できないということもとても残念です。欧米諸国の軍事支援も結局は人間同士の争いに加担することになってしまいます。「孫を学校に行かせたい」・「友人に会いたい」・「少しでも長く生きたい」という悲痛な叫び声を聞くときに、決して他人事でない問題として受け止めてほしいと思います。
 宗祖隠元禅師は説法の中で「大地はゆったりとして昔から今に至るまで少しも変わらない。道は共々に栄えたり衰えたりしている。世の中が乱れて離れ離れになったりするのは全く以前と同じであり私もこの年になり儒教や仏教の教えに背を背けてはいない」とおっしゃられ、又「一人が生まれながらに持っている真性を明らかにして悟りの世界に至れば、あらゆる世界はみな空じ尽くされ、一旦私欲をおさえて礼に立ち返るならば、世の中は常に慈しみの心で覆われる」と説かれています。
 自然は不変であるのに、私たちの眼が異常であると正しい姿を見ることができない。真実の姿を見るためにどうすればよいのかを考えていくことを一人でも多くの人々に発信していくことが大切だと思います。そして一人でも多くの人がこの法に気づくことを祈ります。
                    

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