雲衲報恩接心報告(2)
臨済禅師・白隠禅師の遠諱を記念し、去る3月3日~9日まで、全国の僧堂の雲水(修行僧)が約230人参集し、東福寺大禅堂(選仏場)において報恩接心を行ないました。
一日ごとの様子をご紹介して参ります。
(1) 3月3日 補佐員(役員)到着・会議
(2) 3月4日 僧堂先駆到着・接心衆評(下記をご覧下さい)
(3) 3月5日 僧堂老大師・雲衲到着・安単・総茶礼
(4) 3月6日 接心開講
(5) 3月7日 接心・連鉢
(6) 3月8日 接心講了
(7) 3月9日 分散・近隣僧堂のみ法要加担
3月4日
いよいよ先駆の雲水たちを迎えます。先駆(せんく)とは、読んで字のごとくでありますが、全国の各僧堂より先に東福寺入りする役位の雲水の事です。後から来る僧堂の者たちの受け入れの為、事前に色々な説明を受けたりします。
各僧堂を代表して雲水たちがやって参りました。東福寺本坊の玄関(拝観の玄関とは違う庫裏の玄関)にて、迎える役の和尚が対応します。
雲水:「たのーみまーーーしょーーーーーーーーーー」
和尚:「どーーーーーーーーーーーーれーーーーーーー」
「いずこより」
「○○僧堂より臨済禅師・白隠禅師遠諱報恩接心の先駆として参りました。お取り次ぎのほどよろしくお願い申し上げます」
「ご遠方よりおつかれさまでした。どうぞ草鞋をぬいでお上がりください」
こういった禅門での伝統的な玄関での挨拶をおこない、先駆の雲水を迎えいれます。
たまたま来られていた一般参拝者の方達も何事かとご覧になっておられましたが、この場面は普段ではご覧いただく機会の無いものですので、禅宗の修行というものの一端を知って頂く良い機会となったかもしれません。
脚絆(きゃはん)、と草鞋(わらじ)を脱ぎ、足を清めて中へ。
到着した先駆の雲水たちの網代笠が並びます。
各僧堂の先駆が揃って、”接心衆評”。接心前の打ち合わせ会議です。これから全国の僧堂から230人もの雲水が一堂に会して修行をするという事で、様々な説明がなされます。
その後、日の暮れぬうちにいくつかのグループに分かれ、坐禅をする禅堂(下写真)や、点在している喚鐘場(かんしょうば・上写真、参禅場所。喚鐘場は何ヶ所か設けられ、雲水たちはこの遠諱接心中の参禅の際に、希望する老師に参禅できることになっています)などを見てまわり、和尚さん方から説明を受けました。50年前の臨済禅師千百年遠諱のときにも、この東福寺で遠諱報恩接心がおこなわれましたが、その時には参禅は行なわれなかったということですから、今回の遠諱の大きな醍醐味の一つでもあります。
その後もさらにこれから始まる接心に関する説明はつづき……。
在錫僧堂のある地域ごとに分かれて、それぞれの役配(役割)なども決めていきました。
そして、漸く薬石(夕飯)。この日はセルフサービスにて、おでんでした。
つづく