第一回"『臨済録』を読む会" 於:麟祥院

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去る4月27日(月)、東京は湯島にあります麟祥院にて、第一回目となる"『臨済録』を読む会"が開催されました。

150427-0.jpgこの会は、円覚寺派管長・横田南嶺老大師が発起人となられ、遠諱を迎えるにあたり対外的な活動のみならず、いま一度臨済宗の要ともいえる臨済禅師の語録に立ち返り、唐・宋代の禅語録の研究において最先端をゆかれる小川隆先生(駒沢大学教授)にご講義いただこうというお考えから始められた会です。

150427-1.jpgご講義と申しましても、ただ講義を聴くのみの一方通行な学びの会では無く、師家方も交えての勉強会である事や、宗派を超えての集まりでもある為、学者と禅僧の間で、内容についても活発に議論を重ねてゆこうとする試みであります。

150427-2.jpg今回は初回の為、まずは発起人でいらっしゃる横田南嶺老師のご挨拶の後、漢文を訓読するにあたり最低限必要となってくる知識や、中国語と日本語の間に起こりうる誤解など、様々な例を挙げて導入的な部分を小川先生がお話くださいました。
「今までこう習っていたはずなのにまさか?!」というような事実も判明したりと、非常に刺激的な学びの時間となりました。
講義後の質疑応答も活発、会が終わってからも先生のところに駆けつけて質問される方々のお姿も見えました。

150427-3.jpg余談ですが、会場となります湯島の麟祥院は、明治時代、円覚寺派初代管長・今北洪川老師が「臨済大教校」という学校をお作りになられた由緒ある臨済宗妙心寺派の寺院です。
この日は会場となりました方丈の戸を開け放ち、青々した苔や新緑が目映い庭を横に薫風を感じつつ、しばし学びと交流の時間を持つ事ができました。
遠諱を機縁とし始まりましたこの会、月に一度の開催(7,8月は休会)ですが、今後もこちらにてご紹介させていただきたいと思います。