臨済禅師1150年遠諱記念『臨済録』国際学会について(2016.5.11改変)

一覧に戻る

2016年は臨済禅師の円寂1150年に当ります。
『臨済録』および臨済禅師の研究は日本の戦後、とりわけ前世紀の70~80年代に入矢義高、柳田 聖山先生によるピークを迎えて、その高水準の成果が公表されるや、それが海外にも大きな影響を与えて、各国語訳の『臨済録』が出版されました。
現在はつぎ の新しい世代による研究が萌芽し、新しい局面を望見する段階に至っております。この時期に当たり、臨黄合議所、花園大学共催による臨済禅師1150年遠諱 記念『臨済録』国際学会を、来る2016年5月13日(金)~14日(土)の2日間、花園大学において開催することは意義ぶかい記念行事となると考える次 第です。

 この国際学会におきましては、内外の研究者ならびに実践者を招待し、基調講演、研究発表と討論、交流を展開したいと思います。
本国際学会準備委員会としましては、この国際学会を狹い研究者のみの論文発表の場とせず、『臨済録』に関心をもち、関わりをもつ多くのひとびと(実践、芸術、出版分野のかた がた)の参加できる総合的な研究交流の機会としたいと考えております。

かつて花園大学国際禅学研究所所長であられた柳田聖山先生は、日本において『臨済録』の国際学会を開催することを、長年の夢としてその構想を温めておられました。先生生前にそれが実現することはありませんでしたが、このたびの臨済禅師円寂1150年を記念するという新しい条件のもと、内外の広い協力を得て、有意義な国際学会にしたいと願っておりま す。



【詳細】

主催:臨済宗黄檗宗連合各派合議所、花園大学

会期:2016年5月13日(金)~14日(土)

会場:花園大学、禅文化研究所

5月13日 9:00 開会式 花園大学 教堂
  10:00 基調講演
11:30 休憩
  13:00 研究発表1
  14:30 休憩
15:00 研究発表2
  17:00~18:00 禅セッション
(安永祖堂老師&
Jeff Shore氏)
5月14日 10:00 研究発表3
11:30 休憩
  12:30 研究発表4
  14:00 休憩
  14:15 研究発表5
  15:45 最新仏教書出版事情報告(仏教書総目録刊行会)
  16:15 総括
  16:45 閉会式

*どなたでもおこしいただけます(入場無料、予約不要)。

基調講演  葛 兆光(復旦大学文史研究院院長)

「なおも胡適の延長線上に―中国の学界における中古禅宗史研究についての反思」

対 論 末木文美士(国際日本文化研究所名誉教授)
司 会 小川 隆(駒澤大学教授)
通 訳 殷  勤

5月13日(金) 研究発表(1)臨済禅師と『臨済録』    司会:野口善敬
荒牧典俊(京都大学名誉教授) 臨済禅師は何故に河北鎭州へ行かれたか」
伊吹 敦(東洋大学教授) 「臨済と普化―禅思想の完成と新たな聖者像への欲求」
黄 繹勳(佛光大学副教授) 「雪竇『開堂録』における臨済古則の意義」
研究発表(2)『臨済録』テクストと翻訳    司会:衣川賢次
邢 東風(愛媛大学教授) 「日本伝本臨済録』の資料的価値」
汪 維輝(浙江大學教授) 「『臨済録』の語言に関する諸問題」
雷 漢卿(四川大学教授)-不参加- 「『臨濟錄疏瀹』に討議する」
Frederic Girard
(フランス国立極東学院研究員)
「ポール・ドゥミエヴィルの『臨済録』フランス語訳とヨーロッパの研究」
5月14日(土)研究発表(3)臨済録の思想と歴史    司会:西口芳男
齋藤智寛(東北大学准教授) 「『首楞厳経』と臨済禅」
Albert Welter(アリゾナ大学教授) 「五代と初期宋代の臨済禅批判」
土屋太祐(新潟大学准教授) 「看話禅の倫理的性格」
土屋昌明(專修大学教授) 「唐末五代の道仏関係」
研究発表(4)日本における臨済禅    司会:中尾良信
末木文美士(国際日本文化研究所名誉教授) 「日本における臨済宗の形成―--新資料から見た禅宗と達磨宗」
石井修道(駒澤大学名誉教授) 「道元における臨済と大慧」
柳 幹康(花園大学国際禅学研究所専任講師) 「鎌倉期臨済宗における『宗鏡録』の受容――圓爾と『十宗要道記』――」
Didier Davin(国文学研究資料館准教授) 「室町の禅僧と『臨済録』」
研究発表(5)東アジアにおける臨済禅    司会:中島志郎
孟 東燮(海印寺僧伽大学教授) 「無位眞人思想の実践的展開―西翁(1912-2003)老師の참사람(眞人)結社について―」
王琛發(馬来西亞道理學院院長) 「マレーシアにおける日本仏教の曲折と運命」
前川 亨(専修大学教授) 「雍正帝と臨済義玄―『揀魔辨異録』を中心に」
何 燕生(武漢大学・郡山女子大学教授) 「近代的な物語における臨済および『臨済録』――方法論的考察」