
春の花々が咲き出す前に、百花に先駆けて香りを放って咲き出す梅の花。人の心を打つ所以です。
梅花の美しさと香りは、雪や霜の苦しみの時節に耐えて初めて得られたものである。寒い冬の季節がなければ、梅の花のあの芳しい香りはない。
そのように、人間も骨身にしみる苦労と試練を重ねて初めて、香り高い人格ができあがる。だから、苦労を厭わずに難関にぶち当たって行きなさいというのです。
「是れ一番寒骨に徹せずんば、争でか梅花の鼻を撲って香しきを得ん」、寒い冬の苦しみを味わったればこそ、あの芳しい人の心を打つ花を咲かせているのだ。だから私たちも、一つ苦しい修行を厭わずに試練を重ねていかなければならない。こう叱咤激励されるわけです。
「古人刻苦光明必ず盛大なり」、刻苦光明、苦しい修練の時節というものを経て、その苦しみを透過した人は、必ず後々に光を与えるような輝きを放ち、盛大な意義ある人生を創造しているのだ、という言葉を思い起こさせる言葉です。