禅語

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鶴飛千尺雪龍起一潭氷 つるはとぶせんじゃくのゆき、りゅうはたついったんのこおり

『禅語に学ぶ 生き方。死に方。』

(西村惠信著・2010.07 禅文化研究所刊)より

01月を表す季節の画像

鶴は千尺の雪を蹴って飛ぶ

―鶴は飛ぶ千尺の雪、龍は起つ一潭の氷―(『圜悟語録』二)

鶴は千尺も積もった雪原を蹴破って大空に飛び立つ。また龍は一面に氷の張り詰めた池を突き破って空に昇る。彼らはどんな困難をも突き破って、自分に備わった力を存分に発揮する。悟りを開いた者は、即今この現実世界の只中で、悟りの力をどのように発揮するか、という質問に対して答えた語。

少しの困難に出逢っただけで、直ぐに落ち込んでしまう人がある。反対にどんな苦しみを受けても平然としている人がある。若い人なら血液型の違いだと言うであろう。あるいはそうであるかも知れない。
 持って生まれた本来の個性が、さらに修行や訓練によって磨かれれば、一層すばらしい力となって生活の上に活かされるのだ。譬え金剛石であっても、磨かなければ珠玉にはならない道理であるから。そういえば私などの少年のころ頰を紅くして歌った、昭憲皇太后の御歌を思い出す。

金剛石も磨かずば/玉の光は沿わざらむ/人も学びて後にこそ/まことの徳はあらわるれ/時計の針の絶え間なく/巡るが如く時の間も/日陰惜しみて励みなば/如何なる業か成らざらむ
人は器に従いて/その様々になりぬなり/人は交わる友により/良きに悪しきに移るなり/己れに勝る良き友を/選び求めてもろともに/心の駒に鞭打ちて/学びの道に進めかし

 もう一つ、困難に屈服しないための教訓がある。それは「柳に雪折れ無し」ということだ。初めから勢いよく困難に立ち向かうと、台風に吹かれて倒れる大木のように胴体から折れてしまうだろう。柳は風に対しても常に柔軟であるから、折れることはないのだ。